インプラントを
迷っている方へ
For those who are hesitant about implant
インプラント埋入治療について
よく知ってください
近年はインプラント埋入治療の名前が広く知られるようになり、
この治療方法に関心をもつ方もいらっしゃいます。
インプラント埋入治療にはさまざまなメリットがありますが、
一方でデメリットについても知っていただきたいと考えています。
両方を比べてよく検討し、納得したうえで治療を受けていただきたいと思います。
患者さまが不安を抱えているのに
治療を開始することは絶対にありません
アップル歯科ではインプラント埋入治療を行なっていますが、あくまで歯を失った場合の治療法の選択肢のひとつだと考えています。治療前のカウンセリングでは、患者さまがどのようなお悩みをおもちか丁寧にお伺いし、口腔内の状態をより正確に確認します。そのうえで考えられる治療方法をご提示し、それぞれのメリットとデメリット、それに予算や治療期間などをお伝えします。患者さまがご希望される内容に最も近い方法をご提案し、ご納得いただいたうえで治療を進めますのでご安心ください。
インプラントとは
歯を失ったときの治療には、入れ歯やブリッジ、そしてインプラント埋入治療があります。それぞれに特徴がありますが、インプラント埋入治療は「人工歯根を骨に埋め込む」というものになります。
インプラント埋入治療で使用する「インプラント」は、人工歯根である「インプラント体」、人工歯に相当する「上部構造」、そしてインプラント体と上部構造を接続する「アバットメント」の3つの部品で構成されています。インプラント体を骨に埋め込む手術を行ない、骨としっかり結合してから人工歯を固定します。インプラント体に主に使われているチタンという金属は生体親和性が高く、骨との結合が促進されるとされています。
こうした性質から、インプラント埋入治療は天然歯のようにしっかり噛めて、自然な見た目を再現できるのです。
噛む力と健康寿命の関係
医療や介護を受けずに自力で日常生活を送れる期間を「健康寿命」といいます。高齢になってもご自身の力で健康的に過ごせ、生活の質を高く維持できる「健康寿命」の延伸は、誰しもが望むことではないでしょうか。じつは、この健康寿命には「噛む力」も関係しています。
「噛む」という行為には、「食べ物を噛む」「すり潰す」「唾液と混ぜて飲み込む」といった口腔機能が含まれています。高齢になって噛む力が弱まると、「食べこぼし」「むせる」「固いものを噛めない」といった症状が現れることがあります。すると食欲がなくなり食べられる種類が減り、低栄養になります。軟らかい食べ物が中心の生活になるととくにタンパク質が減少しやすく、筋力低下や体力の衰えが進行します。噛めないと軟らかいものを食べるようになり、噛む機能が低下するという悪循環に陥ります。そのため、将来的に介護や医療を要するリスクを高めてしまいます。
インプラント埋入治療はしっかり噛める人工歯であり、噛む力を取り戻すことができます。さらに、歯を支える骨にも刺激が伝わって骨の減少を予防し、健康寿命を伸ばすことにつながっていきます。
インプラント埋入治療のメリット
- しっかりと強く噛める インプラント埋入治療は、インプラント体(人工歯根)を顎骨と結合させて固定源とします。そのため、固いものでも天然歯のようにしっかり噛めます。
- 残っている歯に負担をかけない 部分入れ歯は残っている歯に金属のバネを引っ掛け、ブリッジは固定源となる歯を削るため、ほかの歯に負担がかかります。インプラント埋入治療は独立した人工歯根が固定源となるため、ほかの歯に影響を与えません。
- 顎骨が痩せるのを防ぐ 入れ歯やブリッジは歯を失ったところの骨に刺激が伝わらず、骨吸収が起きて痩せてしまいます。インプラント埋入治療は人工歯根と骨が結合するので刺激が伝わり、顎骨が痩せるのを予防します。
- 口元が自然で美しくなる インプラント埋入治療は、入れ歯のように金属のバネを使用しません。また、人工歯には主にセラミックやジルコニアといった審美的な素材が使われるので、天然歯になじむきれいな口元になります。
インプラント埋入治療のデメリット
- 料金が高い 入れ歯やブリッジは保険診療もありますが、インプラント埋入治療は基本的に自費診療になります。ただし、医療費控除の対象となり、手続きをすれば医療費を抑えることもできます。
- 手術が必要 インプラント体を顎骨に埋入するため、手術を行ないます。手術中は麻酔により痛みをほとんど感じませんが、体への負担がかかるので注意が必要です。
- 治療期間が長い 顎骨に埋入したインプラント体が結合するまで、数ヵ月お待ちいただくことになります。時間をかけてしっかり定着させるため、治療期間が長くなります。
- 治療後も定期的なメンテナンスが必要 インプラントにしたところの周囲組織は細菌に感染しやすいうえ、インプラントそのものに問題がないか確認する必要があります。そのため、定期的なメンテナンスで検診やクリーニングを受けていただきます。
ほかの治療との比較
それぞれの治療方法にメリットとデメリットがあり、両方をよくご理解されることが大切です。各治療を比べていただき、ご自身に合った方法を選択してください。
インプラント | 入れ歯 | ブリッジ | |
---|---|---|---|
噛む力 |
固いものも噛める |
噛む力が低下する |
ある程度強く噛める |
審美性 |
口元が自然で美しくなる |
金属のバネが目立つ |
入れ歯よりは審美性を保てる |
ほかの歯 への影響 |
残っている歯に負担をかけない |
支えとなる歯に負担がかかる |
固定源となる歯を削る必要がある |
違和感 |
ほとんどない |
装着時に違和感がある |
ほとんどない |
味覚へ の影響 |
ほとんどない |
熱・味を感じにくくなる |
ほとんどない |
耐久性 ・寿命 |
10年以上 |
7~8年 |
7~8年 |
治療期間 |
治療期間が長い |
短期間で治療できる |
短期間で治療できる |
価格 |
自費診療なので料金が高い |
保険適用なら低価格 |
保険適用なら低価格 |
・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
・高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
・手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
・手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
・手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
・手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
・インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
・毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。