症状に合わせた治療法 Treatment
患者さまの症状やご希望に合わせた治療方法をご提案します
インプラント埋入治療はさまざまなメリットがあるものの、手術によって体に負担がかかったり、本数が多い場合は価格が高くなったりと、患者さまが悩みを抱えることもあります。当院では患者さまのご希望や症状などをよく見極めて、患者さまの体への負担を抑えられるフラップレス手術や、歯がほとんどない方へのインプラント埋入治療など、より良い治療方法を検討します。
フラップレス(歯肉を切らない)インプラント手術
患者さまの体への負担を抑えた術式
インプラント埋入治療の手術では、顎の骨をドリルで削ってインプラントを埋入します。このとき、一般的な治療では歯肉を切開して骨を露出させています。
フラップレス(歯肉を切らない)インプラント手術はその名のとおり、歯肉を切開しない手術です。歯肉にはごく小さな穴を開け、そこからドリルで骨を切削していきます。歯肉に穴を開ける際には、事前のシミュレーションデータをもとに作製したサージカルガイドを使います。ガイドによってインプラントを埋入する位置をより正確に確認できるので、歯肉を切開しない手術が実現します。
フラップレス手術のメリット
- 体の負担が少ない 歯肉を切開せずに治療ができるので出血が少なくなります。また、歯肉などの組織へのダメージが少ないため痛みや腫れが軽減されて、手術後の回復も早くなります。
- 恐怖や不安を軽減できる フラップレス手術は、歯肉に小さな穴を開ける手術となります。メスで歯肉を切開することに不安がある方にとっては、恐怖心を軽減できます。
- インプラント手術当日に仮歯を装着できる インプラントをしっかり固定できるケースでは、手術をした日に仮歯を入れられます。すぐに噛む機能を回復でき、見た目も気にせず過ごせます。
- 全身疾患のある患者さまでも治療を受けやすい 歯肉の切開や剥離といった処置がないため、体への負担が少なくなります。これにより、糖尿病や高血圧などをおもちの方でも手術を受けられます。
フラップレス手術のデメリット
- 骨の状態によっては対応できない フラップレス手術は、骨の量や幅が充分な方に適用できる治療方法です。骨の状態が良くない場合は、歯肉を切開する従来の手術をする場合があります。
- 歯科医師に経験と技術力が求められる 手術時に骨の状態を目視で確認できない手術なので、事前のシミュレーションが重要です。そのため、歯科医師の経験や技術力が求められます。
歯がほとんどない方、総入れ歯の方のインプラント埋入治療
片顎の歯をすべて補うために、患者さまの負担を抑えて治療できる方法です。1本1本の歯にすべてインプラントを埋入するのではなく、4本または6本のインプラントを埋入して入れ歯をしっかり固定します。傾斜をつけて埋入したインプラントが固定源となり、装着したときに安定します。従来の入れ歯よりもしっかり噛めて、見た目も自然に見えます。すべての歯をインプラントにするよりも費用を抑えられ、患者さまの体や経済的な負担などを軽減できます。また、骨の量が少ないという方でも、骨造成をせずにインプラントを埋入できる可能性があります。
All-on-4(オールオンフォー)×インプラントオーバーデンチャー
顎の骨に4本のインプラントを埋入して、片顎すべての歯の代わりとなる人工歯を固定する治療方法です。4本のインプラントで12本分の歯を支えられるシステムです。インプラントを埋入する手術の当日から仮歯を装着でき、即日で噛む機能や見た目を回復できます。当院ではAll-on-4(オールオンフォー)による治療を行なった場合、人工歯はアタッチメントで取り付けるインプラントオーバーデンチャーになります。入れ歯と同様に、ご自身で人工歯を取り外すことができます。
All-on-6(オールオンシックス)×スクリュー固定式のブリッジ
片顎すべての人工歯を、6本のインプラントで固定する治療方法です。All-on-4より多くのインプラントが必要なので価格は高くなりますが、土台となる顎骨が少ない方でも人工歯を安定させることができます。また、当院ではAll-on-6で治療を行なった場合、人工歯はスクリュー固定式のブリッジになります。
All-on-4(オールオンフォー)、All-on-6(オールオンシックス)のメリット
- 手術当日に仮歯を装着できる インプラントを埋入する手術当日に仮歯を装着できます。噛む機能をある程度回復でき、口元の審美性に悩む心配もありません。
- 治療費を抑えられる 1本ずつの歯をインプラントにしていくよりも、埋入する本数がずっと少なくなります。そのため、治療に必要な費用を抑えられます。
- 入れ歯よりもしっかり噛める 顎骨に埋入したインプラントが固定源となるので、人工歯が安定してしっかり噛めます。入れ歯が外れやすいという方にもおすすめです。
- 顎の骨量が少ない方でも治療できる 一般的なインプラント埋入治療では骨造成が必要とされるケースでも、All-on-4などであれば骨のある箇所を選んでインプラントを埋入できます。
All-on-4(オールオンフォー)、All-on-6(オールオンシックス)のデメリット
- 総入れ歯よりも治療費が高い 一般的な入れ歯による治療は保険診療もありますが、All-on-4などは自費診療になります。そのため、治療費が高くなります。
- 外科手術が必要になる 入れ歯の治療は手術の必要がありません。一方、All-on-4はインプラントを埋入するため、外科手術が必要になります。
・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
・高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
・手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
・手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
・手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
・手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
・インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
・毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。
・インプラント埋入治療と同じくインプラントを埋め込むので、基本的なリスク・副作用は上記インプラントによる治療と同様です。
・通常のインプラント埋入手術に比べ低侵襲ですが、痛みや腫れが現れないということではありません。
・インプラント埋入治療と同じくインプラントを埋め込むので、基本的なリスク・副作用は上記インプラントによる治療と同様です。
・治療当日に仮歯を装着できますが、最終的な人工歯を装着できるのは、インプラントと骨とがしっかり結合してからであり、それまで数ヵ月の期間を要します。
・インプラント埋入治療と同じくインプラントを埋め込むので、基本的なリスク・副作用は上記インプラントによる治療と同様です。
・入れ歯使用直後は、口腔内になじむまで時間がかかることがあります。
・入れ歯を装着していない時間が長いと、残存歯の傾きや損失、歯槽骨(歯を支える骨)の吸収などが起こることがあります。
・使用方法などにより、破損することがあります。
・定期的な検診・メンテナンスが必要です。